幼児期は十分に遊ぶことが必要です。子どもの遊びというのは、生活の中で自ら興味・関心を持って、周囲の環境に対して意欲的にかかわることにより、活動をつくりだし、展開することです。大人になって人間関係でつまずく人も多く見受けられるようですが、人間関係の基礎を培う幼児期の「遊び」をもっともっと大切にすべきだと思います。子どもの遊びには、少なくとも次の三つの要素があります。
(1)心から楽しく遊ぶこと
(2)強制されるのではなく、主体的に遊ぶこと
(3)何かの目的のための手段ではなく、遊びそのものが目的であること
要するに幼稚園では、子どもの自由な遊びが最も重要であるといえます。自由な遊びの中から、子どもの個性や人間性が培われ、人間関係を豊かにし、社会生活のルールを体得し、自分で考えることによって、自立心や創造力を培い、「生きる力」を身につけていくのです。幼児期にいたずらに「早期知的教育」を行なうことは、真の知能の発達を阻害することにもなります。
自由に遊ぶということは、放任(ほったらかし)ではなく、先生が意図をもって子どもとかかわることによって、子どもの心を自由にしてあげることです。自由というのは、人間の魂の解放であり、子どもの無限の能力を引き出すのです。子どもの自由で“さながらの生活”を、先生が佛の心をもって温かく見守り、援助してあげることが最高の知(智)的教育でもあるのです。 |